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Hot Strawberry Project
以下の情報もご覧ください
1. 熱ショック処理を使った植物の病害防除について 野菜情報 2013年2月号(農畜産業振興機構のオンラインジャーナルです).
2. イチゴの病害虫を防ぐ装置をキャラクターでPR―「湯苺あみ」誕生の舞台裏― 産学官連携ジャーナル2012年3月号(科学技術振興機構のオンラインジャーナルです).
3. 植物の免疫力を高めるために「湯」!?.万農王国IBARAKI 茨城の農業と地域資源 第7回.2010.(オンラインマガジン「万農王国IBARAKI」の記事です.)
4. 茨大農学部に萌えキャラ「湯苺あみ」-熱ショックのイチゴ栽培装置PRで.水戸経済新聞2010年11月12日.(オンラインニュースの記事です.)

イチゴに対する熱ショック処理の効果
 前項において,適切な条件で植物に熱ショック処理を行うことにより,全身獲得抵抗性を誘導できることを明らかにし,温湯散布装置を開発しました.私たちは,この技術をイチゴで応用することにしました.イチゴはキュウリなどより作物体が小さいため,温湯散布などの作業が簡単です.まず,実験室で接種試験を行ったところ,熱ショック処理によってイチゴに灰色かび病,うどんこ病,炭疽病の抵抗性を誘導することに成功しました.写真は,炭疽病接種試験の結果です.右側が温湯浸漬,左側は無処理です.

圃場での温湯散布実験
圃場での処理は当初,1株ずつ処理を行うものでした.この結果,週1回の温湯散布を行うことによって,本圃でのうどんこ病発生を慣行農薬による防除と同水準まで抑制できることがわかりました.この効果は抵抗性誘導だけではなく,洗浄効果や消毒効果などが相加的に働いたものと思われます.写真は初代担当者K嬢(2008).
 

走行型温湯散布装置の開発
 イチゴ用収穫台車を改造し,走行しながら連続的に温湯を散布する第1号機「ドム」(写真).しかし,畦内を真っ直ぐ走らせることに苦心した他,湯温低下,ホースの取り回し,マルチや果実の損傷など多くの課題を残しました.この後,「リックドム」,「佐藤専用3倍速機」など,改良を重ねましたが,解決には至りませんでした.

自走式温湯散布装置「ゆけむらー」の完成
 「ドム」で抽出された問題点を検討し,共同研究先である茨城県工業技術センター,カンプロ株式会社のお力により,自走式温湯散布装置「ゆけむらー」が完成しました.線路の上をバッテリー台車が毎分50cmの速度で走行しながら温湯を散布します.ノズルの位置調節をフレキシブル管で行うようにしたり,ホースを懸垂させるなど,多くの新機軸を打ち出しました.実証栽培の結果,うどんこ病の抑制に高い効果が認められました.現在,実証栽培と商品化に向けた詰めを行っています.

マスコットキャラクター湯苺あみ
 この研究は農林水産省「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」で取り組むとともに,茨城大学推進研究プロジェクト「Hot Strawberry Project」の支援を受けています.熱ショックの研究の応用展開事例として研究水準の向上に努めていることはもちろん,この研究のPRを通して学内にも学外にも明るい話題を提供しよう(ただし萌え方面で)という期待を持っています.S君の手によるマスコットキャラクター「湯苺あみ」は今やメディアを通じて今や全国的に有名になりました.実証栽培で生産されたイチゴは地元菓子店との共同研究を通じて製品化されています.リアル湯苺あみもテレビにラジオに新聞に,学園祭からデパートの催事まで大活躍です.「茨大は頑張っているぞ!」ということが伝わればいいですね.

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